無課金で動画生成:
中華AIの試用をふまえ解説
映像制作の現場において、動画生成AIの利活用は目覚ましい速さで進んでいます。数年前には考えられなかったクオリティの動画が、比較的容易に生成できるようになりました。
しかし、その恩恵を最大限に享受するためには、技術的な進歩だけでなく、コスト、品質、そして何よりも実用性という多角的な視点からの評価が不可欠となります。
本稿では、無課金での動画生成の現況について、中華製AIの試用を踏まえて報告します。無料で利用できる動画生成AIの減少、中華製AI「Kling AI」と「Hailuo AI」の特性と利用感、そして動画品質におけるプロンプトの重要性など、具体的な事例を交えながら考察します。

by あぶらげ とんび

無料動画生成の減少
Luma Dream Machine
Free Planでの動画生成を停止
Pika AI
無課金ユーザーの処理待ち時間が大幅に増加
Sora, Domo, Veo3
従前より有料プランのみの提供
中華製AIへのシフト
Kling AI と Hailuo AI が主な選択肢に
実質無料で利用できる動画生成AIは、その数を減らしつつあります。
こうした状況を受け、無料または比較的安価に利用できる代替手段として、中華製の動画生成AIに注目せざるを得なくなりました。
中華製 Kling AI と Hailuo AI の活用
現在、主に利用している中華製AIは Kling AI と Hailuo AI の二つです。それぞれの特性を理解し、用途に応じて使い分けることが、効率的な動画制作には不可欠となります。
Hailuo AI
最大のメリットは、1日あたり100クレジットが付与される点です。Image to Video (I2V) では、1日に3本生成できます。
尺は6秒と短いものの、短めの日本語プロンプトでも比較的満足のいく結果が得られ、ちょっとした動画カットの制作には十分です。
Kling AI
Hailuo AIよりも機能が充実しています。尺は10秒まで選択可能で、6秒ずつ延長も可能なため、より複雑な動画制作においてアドバンテージとなります。
しかし、クレジットの付与は月あたり166と少なく、月に数本程度の生成が限界となります。
動画生成にかかる時間の改善と依然残る課題
クレジットに余裕のある Hailuo AI で動画を生成し、品質や尺などに不都合があった場合に Kling AI を利用するというのが現実解となっています。無課金では特に、それぞれのAIの特徴に応じて使い分ける運用が大事です。
無課金での動画生成AIの利用において、待ち時間を含むターンアラウンド時間は重要な要素の一つです。
Kling AI は、4ヶ月前には処理待ちが1時間に及ぶこともあり、無課金での利用に課題がありました。しかし現在では待ち時間が大幅に短縮され、通常は3分前後、遅くとも20分程度で生成が完了しています。
Hailuo AI も同様ですが、20分程度で完了することもあれば、わずか3分で完了することもあり、安定しているとは言い難いです。18分待ちと表示されても実際には5分で生成されるといった予測不可能性も依然として残っています。
動画の品質:プロンプトと運の要素
一行だけの
日本語プロンプト
× 意図と異なる奇妙な動画
高品質な参照画像
画像生成AIで事前に質の高い開始フレーム画像を生成
Geminiによる英語での映像用プロンプト作成
文章系AIで作成された
詳細なプロンプトを投入
Image to Video 生成
〇 Text to Video での
一発生成より品質は安定
△参照画像の事前準備の手間
最も重要な要素の一つである動画の品質については、依然として不安定です。
一行だけの日本語プロンプトを与え、Text to Video (T2V)で動画生成した場合には、意図とはかけ離れた奇妙な動画が生成されました。一方、Geminiに英語プロンプトを考えさせ、事前に画像生成AI(Fooocus)で生成した参照画像を元に、Image to Video (I2V) で生成を試みた結果は、比較にならないほど高品質でした。
この事例は、動画生成AIの品質を向上させるためには、高品質な元画像や、AIの特性を理解した上で作成された詳細なプロンプトが不可欠であることを示しています。プロンプト補完機能がある場合には、利用が望ましいでしょう。
今後の動画生成AIの展望
中華製AIのメリット
  • 無料または安価に利用可能
  • 処理時間は改善
  • 短尺の動画生成では十分
現状の課題
  • 品質の不安定さ
  • プロンプト作成の工夫
  • 生成本数の制約
今後の期待
  • 技術のさらなる進化
  • プロンプトの理解度向上
  • プロンプト補完機能の強化
中華製AIは、無料または安価に利用できるという点で、現時点では貴重な選択肢となっています。しかし、品質の不安定さや、プロンプトの工夫が必要である点など、克服すべき課題も多いです。
動画生成AIの進化と映像制作の未来
技術の進化
AIモデルの性能向上と安定性の改善
言語理解の向上
日本語プロンプトの理解度向上
機能の充実
プロンプト補完機能の強化など
スキルの発展
AIを使いこなす利用者の能力向上
映像制作においては、動画生成AIはあくまでツールの一つであり、最終的な品質は企画力、構成力、そしてAIを使いこなすスキルに大きく左右されます。AIの進化を常に注視し、その可能性を最大限に引き出すための試行錯誤を続けることが、今後の映像制作において不可欠となると言えるでしょう。
動画生成AIとプロフェッショナルの共存

現状の把握
中華製AIの特性と限界を理解する
創造的活用
AIの特性を活かした企画と構成
継続的な進化
技術とスキルの両面での成長
本稿が、動画生成AIの現状と今後の展望について、映像制作に携わる方々にとって一考の材料となれば幸いです。
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